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第16回より2回にわたり,渡邉時夫先生に『英語ノート』(文部科学省)についてまとめていただいています。今回は,『英語ノート』の活用実態と,『英語ノート』の今後の課題についてです。 ※このコラムについてのご意見・ご感想をお受けいたしております。 渡邉時夫 (清泉女学院大学) 1. はじめに前回(第16回)では,行政刷新会議「事業仕分け」における『英語教育改革総合プラン』の「廃止」による,『英語ノート』(文部科学省)の今後についてご報告いたしました。今回は,昨年度(平成21年度)における『英語ノート』の活用実態について,筆者が独自に行ったアンケート調査の報告と,アンケート結果や先生方のコメントをもとに,『英語ノート』の改善への提言をしたいと思います。 2. 『英語ノート』の活用実態の報告(1) 調査対象校とアンケートの内容 ■グループA (長野県内の一般的な公立小学校群) ■グループB (長野県内及び近県の,英語活動において先進的な公立小学校群) (2) アンケートの結果
(3) 調査結果からみた『英語ノート』の活用実態 @いずれのグループにも,『英語ノート』をまったく使っていない学校はありませんでした。これまでのところ『英語ノート』の重要度の高さははっきりしており,『英語ノート』を仕分けの対象とした政府の選択は誤りであったと指摘できると思います。 A全体的にグループAの『英語ノート』の活用率が,グループBと比べ,比較的高いことが分かります。ALTの授業参加が少なく,担任の教師(HRT)が『英語ノート』に頼っている様子が読みとれます。 BグループBの場合には,主としてALTが独自に用意した教材を使ったり,また学校や地域で積み重ねてきた独自の教材を主として活用したりして,『英語ノート』は補助教材として使っている学校が多いようです。 CグループAの活用傾向を見ると,Lesson 7以降は,それまでのレッスン(Lesson 1〜6)と比べ,活用率が徐々に下がっています。取捨選択をせず,Lesson 1から始めて順を追って『英語ノート』を活用している様子がうかがえます。平成21年度は移行期間でもあることや,学校行事などが入ったりして,35時間をフルに「外国語活動」に充てられない学校が多いことも理由の1つかもしれません。平成23年度からは,学校行事や指導計画の調整などを行うことで,すべてのレッスンを活用する学校が増えてくるのではないかと予測されます。 DグループBの場合には,『英語ノート』の内容を取捨選択して活用していることが分かります。 ELesson 1, 4, 6の3レッスンは,両グループ共に好評で,一方,Lesson 2, 5, 8の3レッスンは,両グループ共に不評だったことが分かります。将来,改訂する計画があれば,この資料を参考にしてほしいと思います。 F3つのLet’s Enjoyは,両グループとも活用率が低いので,その原因を明確にする必要があると思います。 3. 『英語ノート』の改善への提言今回のアンケート調査の過程で,小学校で長年英語の指導に携わってこられた先生方やALT(複数名)からさまざまなコメントをうかがいました。それらをふまえ,『英語ノート』の課題について筆者の考えを述べたいと思います。 (1) 語彙や英文について (2) 題材の取扱いについて (3) チャンツについて (4) 指導資料について (5) 『英語ノート』の付属CDについて 4. おわりに前回の号から,行政刷新会議「事業仕分け」に触れながら『英語ノート』の今後について考えを述べ,また独自に行った調査をもとに,内容の改善点をいくつか指摘させていただきました。『英語ノート』が平成24年度以降も継続して無償配布されるのか定かではありませんが,改訂の仕事を怠ることはできません。個人的にも,そしてマスコミや学会などを通して,文部科学省にはこの点を強く要望したいと思います。 なお,次回の号では,『英語ノート』を補うのに相応しい教材について考えてみたいと思います。 《参考文献》 『英語ノート 1』(文部科学省) ![]() ![]() |
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