三省堂では,これまで『コンサイス日本人名事典』や『日本史小事典』(絶版)などを刊行してきたが,年代順の日本史用語事典を初めて刊行することになった。本書には,下記のような大変すばらしい特色がある。日々の学習用に大いに役立てていただければ幸いである。
1.本書は,高等学校の「日本史A」「日本史B」の学習に必要な用語を,教科書から選び出し,時代順に配列して解説した学習用の用語事典である。収録用語数は,類書中最大の7700語以上である。
2.本書は,歴史の流れを理解できるように,用語の解説は前後のつながりを重視して叙述している。このため,用語を解説抜きで出す方式はできるだけ避けた。また,重要語や歴史の流れを理解するために必要な用語については,キーワードの扱いで,詳しく解説をした。キーワード扱いの用語は,約 214語を取り上げた。
3.本書で取り上げた用語が,「日本史A」「日本史B」の教科書にどれだけ取り上げられているかを数字で表示した。
4.巻末の「さくいん」では,別表記,表記の慣用的用法なども考慮して,できるだけ多方面から目的の用語を検索できるよう工夫した。このため,どの教科書を使用していても,目的の用語を容易に探し出すことができる。
5.巻末の「さくいん」には77ページを割き,約1万1000語を収録しているので,用語の確認のためにも,また,簡便な辞典としても使用できる。
第Ⅰ編 原始・古代の社会と文化
第1章 列島の形成と原始社会
Ⅰ 旧石器時代の生活と文化
Ⅱ 縄文時代の社会と文化
第2章 原始社会から古代社会へ
Ⅰ 弥生時代の社会と文化
Ⅱ 古墳文化とヤマト王権の展開
第3章 古代国家の確立
Ⅰ 推古朝と飛鳥文化
Ⅱ 大化の改新と壬申の乱
Ⅲ 律令国家の成立と白鳳文化
第4章 古代国家の展開と動揺
Ⅰ 平城京の建設と律令制の展開
Ⅱ 律令支配の実態
Ⅲ 天平文化
第5章 貴族政治の展開と平安文化
Ⅰ 平安京の建設と律令体制の動揺
Ⅱ 唐風文化の様相
Ⅲ 律令体制の変質と摂関政治の展開
Ⅳ 国風文化
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第Ⅱ編 中世の社会と文化
第1章 古代から中世へ
Ⅰ 荘園公領制の展開
Ⅱ 院政と平氏政権
Ⅲ 民衆文化の登場と受容
第2章 武家社会の成立と鎌倉文化
Ⅰ 武家政権の誕生
Ⅱ 執権政治の確立
Ⅲ 鎌倉時代の農村と都市
Ⅳ 中世に生きる人々
Ⅴ 鎌倉文化と民衆
第3章 武家政治の展開と東アジア
Ⅰ 元の襲来
Ⅱ 得宗専制と鎌倉幕府の滅亡
Ⅲ 建武政権と南北朝の内乱
Ⅳ 室町幕府の政治
Ⅴ 東アジア世界との交流
第4章 下剋上の社会と室町文化
Ⅰ 荘園公領制の解体と民衆
Ⅱ 一揆の蜂起と幕府の衰退
Ⅲ 室町文化と民衆
第Ⅲ編 近世の社会と文化
第1章 中世から近世へ
Ⅰ 戦国の動乱
Ⅱ 南蛮貿易と東アジア世界の変化
Ⅲ 豊臣政権の全国統一
Ⅳ 太閤検地と朝鮮侵略
Ⅴ 南蛮文化と桃山文化
第2章 幕藩体制の成立と鎖国
Ⅰ 江戸幕府の成立と朱印船の時代
Ⅱ 幕藩体制の成立
Ⅲ 鎖国体制の形成
Ⅳ 近世の村と町
第3章 幕藩体制の展開と町人文化
Ⅰ 文治政治への転換
Ⅱ 近世的都市の繁栄と諸産業の発達
Ⅲ 全国市場の形成
Ⅳ 家意識と近世的生活様式の成立
Ⅴ 儒学と学問・教育の発展
Ⅵ 元禄文化
第4章 幕藩制の転換と江戸町人の文化
Ⅰ 領主財政の窮乏と幕藩政治の転換
Ⅱ 田沼期の政治と経済の発展
Ⅲ 新しい学問・思想の誕生と江戸町人の文化
Ⅳ 百姓一揆と打ちこわしの続発
Ⅴ 寛政の改革と海防の強化
第Ⅳ編 近代の社会と文化
第1章 近世から近代へ
Ⅰ 近代への胎動
Ⅱ 民衆文化の開花
Ⅲ 学問・思想の広がり
Ⅳ 内憂外患と天保の改革
第2章 明治維新と近代国家の形成
Ⅰ 激動するアジアと日本の開国
Ⅱ 討幕運動の展開
Ⅲ 統一国家の形成
Ⅳ 開化政策の推進
Ⅴ 有司専制体制の成立
第3章 明治憲法体制の成立
Ⅰ 松方財政と民衆運動
Ⅱ 対朝鮮外交と条約改正
Ⅲ 大日本帝国憲法の制定
第4章 産業革命と日清・日露戦争
Ⅰ 日清戦争と中国分割の進展
Ⅱ 日露戦争と韓国併合
Ⅲ 産業革命の進行と社会の変化
Ⅳ 官僚・軍人と政党
Ⅴ 近代文化の発展
第5章 第一次世界大戦と大正デモクラシー
Ⅰ 第一次世界大戦と世界情勢の変化
Ⅱ 独占資本主義の確立
Ⅲ 米騒動と社会運動の発展
Ⅳ 政党政治の展開
Ⅴ 大正デモクラシーと文化の新風
第Ⅴ編 現代の社会と文化
第1章 近代から現代へ
Ⅰ 世界恐慌と昭和恐慌
Ⅱ 満州事変と挙国一致内閣の成立
Ⅲ 不安な時代と大衆文化
第2章 日中全面戦争と戦時体制
Ⅰ 二・二六事件
Ⅱ 日中全面戦争と第二次世界大戦の開始
Ⅲ 戦時体制の強化
Ⅳ 学問・思想への弾圧と文化の統制
第3章 太平洋戦争と大日本帝国の崩壊
Ⅰ 日米開戦と大東亜共栄圏
Ⅱ 戦局の悪化と国民生活
Ⅲ 大日本帝国の崩壊
第4章 民主化と戦後改革
Ⅰ 占領と民主化
Ⅱ 日本国憲法と戦後改革
Ⅲ 国民生活の復興
第5章 2つの世界と日本
Ⅰ 対日政策の転換と朝鮮戦争
Ⅱ 講和・独立と経済復興
第Ⅵ編 「現在」の社会と文化
第1章 現在の日本と流動する国際社会
Ⅰ 高度経済成長の政治と経済
Ⅱ 企業中心社会の形成
Ⅲ 高度経済成長の光と影
第2章 経済大国日本のひずみと課題
Ⅰ 石油ショックから行政改革へ
Ⅱ 経済大国化のひずみと課題
Ⅲ 世界の政治・経済の変動と課題
さくいん
「第1章 中世から近代へ」
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