1. 基本方針今回のSELECT Oral CommunicationTNew Edition(2007年使用開始)は、前回の版に引き続き、1994年(平成6年)初版のSELECT Oral Communication Aの流れを受け継いだ教科書です。この間、「セレクト」の基本コンセプトとして長年教育現場で大きなご支持を頂いてきた「Key Expressions 方式」「5段階ステップ式」「コミュニケーション活動」「ワークシート」などの指導法を、完全に受け継ぎました。今回の改訂版でも、(1)やさしく教師にも生徒にも無理がない、(2)楽しくて積極性を養う、(3)授業がしやすく達成感がある、(4)評価がしやすい、という基本的な編集方針に磨きをかけ、内容、形式ともさらなるパワーアップをめざし、編集しました。 2. 改訂のポイント(1)リスニングのコーナー「Listen! Listen! Listen!」新設今回から、センター試験にかなり手応えのあるリスニングテストが導入されました。「読む・書く」だけではなく、「聞く」(そして「話す」)ものとしての英語への、社会の関心の高まりが感じられます。 「セレクト」では、従来から「Key Expressions」を聞き取る活動や、さまざまなゲーム的活動を通して、リスニングを重視してきましたが、今回さらにリスニングを集中して扱うコーナーを新たに3か所設けました。といっても、堅苦しい「英語の聞き取り」ではありません。いずれも「宝探し」や「迷子のペットを探す」、「スパイ捜し」などゲームのような活動を取り入れた、従来にない楽しいものになっています。現行版「セレクトT」にも「Listen & Talk」として、叙述文の聞き取りを扱ったコーナーがありますが、改訂版ではリスニングが苦手な生徒でもやさしく楽しく学習できるよう、さらにさまざまな工夫をしました。 ひとつのコーナーは、3つのセクションから構成されています。最初のセクションは、地図を見ながら英語を聞く「宝探し」、イラストを活用した「スパイ捜し」などゲーム感覚の活動です。次のセクションは、実用的なラジオニュースや空港アナウンスなどを聞く活動です。最後のセクションは、オプションの扱いですが、SMAPの「世界に一つだけの花」の英訳や、キング牧師の演説I have a Dream!の一部など、心に響くことばをじっくりと聞きます。 (2)新しい題材の導入現行版をお使いの学校から要望の多かったものや、日常生活での使用頻度の高いトピックを3つ導入しました。 @Lesson 3 Are you okay? 元気?学校現場より、健康や体調に関する表現へのご要望が多く寄せられたための、新設です。簡単なあいさつの他、体調についてたずね、それに答える表現を扱いました。それだけではなく、体調の悪い相手へのアドバイス(医者に行った方がいい、家に帰りなさい)のための表現も学習します。日本人(特に大人?)には、調子が悪いことをあいさつがわりにする人も多いようなので、その点でも実用的なレッスンかもしれません。 ALesson 7 Talking on a Cell Phone 携帯電話現行版では固定電話を前提とした表現を扱いましたが、その実用性が少しずつ減ってきているため、今回の版ではいよいよ携帯電話を取り上げました。もちろん、授業では携帯電話そのものは使いません。また、携帯電話に関しては校則でなんらかの規制を設けてある学校が多いと思われますので、レッスンの冒頭に、「携帯電話に関する校則には従うこと」「校則にかかわらず、授業中は電源を切ること」という生徒たちへの注意書きを大きく入れてあります。 ここでは、休日、外で友だちと待ち合わせをしている場面を想定し、予定通り会うために連絡を取り合うための表現を学習します。また、「今話せるかどうか」「電子メール(メッセージ)」など、携帯電話特有の表現も扱います。 BLesson 13 Future Jobs 将来やりたいこと就職や将来の進路に関しての表現も、扱ってほしいという要望の強かったもののひとつです。このレッスンでは、将来なりたい職業やその理由、そしてその職業につくために何をしようと考えているか、ということなどをたずね、答えます。基本文や例示している職業例などは、高校生の目線に立ち、彼らが自分たちのことを表現しやすいよう、比較的現実的なものを中心に提示しています。 (3)Challenge!!現行版では、いくつかのレッスンにしか配置していなかった、基本表現を用いた自然な会話のコーナー「Challenge!!」を、全レッスンに配置しました。すべてのレッスンで、よりいっそう学習を深めることができます。 (4)その他題材に合った、臨場感あふれる写真を多数収録しました。Lesson 9 Kyoto の交通路線図も、さまざまな名所の美しい写真を多く用い、図自体もより大きく見やすくなりました。また、生徒が楽しく学習に取り組めるよう、全体にイラストや会話例はできるだけユーモラスなものになるよう、心がけました。 3. 現時点で予定されている教材について教師用指導書やビデオ、音声教材、大判のピクチャーカードなどの指導用教材、そして生徒用のワークブックなども、従前以上に充実したものを現在鋭意製作中です。特に教師用指導書には、時間に余裕があるときのための投げ込み教材集「セレクト・サブテキスト」(仮称)や、教科書のいくつかの箇所につき、プロジェクターとパソコンを使って授業をするための簡単なマルチメディア教材の収録を予定しています。どうぞご期待下さい。(なお、上記の教材の概要は2006年4 月時点での予定であり、今後変更の可能性があります。どうぞご了承下さい。) 改定新版 『SELECT Oral Communication I New Edition』 |
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