入試地理 新地形図の読み方

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武井明信・武井正明 著
2009年9月15日 発行
定価1,100円(本体1,000円 +税10%)
B5 160ページ
ISBN 978-4-385-22595-1

学習参考書 教科書準拠 採用品 店売品
1988年の刊行以来、30年間にわたって支持されつづけてきた『入試地理 地形図の読み方』を大改訂しました。サイズを大きくし、入試に違和感なくのぞめるように、入試問題と同じ原寸の地形図を掲載しました。内容も、分かりやすい本文・詳しく学べる注・最新の入試問題対策をモットーに一新しました。そのため、受験生だけでなく、初学者や一般向けの地形図入門書として十分に使えるようにしております。

はしがき

 『入試地理 地形図の読み方』は、1988年の刊行以来、30年をこえて使われてきました。おかげさまで、この間、みなさまの熱いご支持を受け、毎年、版を重ねてきました。さらに、多くの受験生の弱点であった地形図の読み方について、初心者でも無理なくとりかかれ、わかりやすい解説書である、との評価を得てきました。そうした受験生の悩みを解消するのが本書の目的でしたので、著者として、望んでいた以上の喜びを得ました。あらためて感謝申しあげます。

 しかし、地図、なかでも地形図のあり方は大きく様変わりしました。とくに、人工衛星やコンピュータなどの技術革新はめざましく、地形図はその影響を強くうけた分野の一つです。そのため、本書の内容も書きかえる必要が生じてきました。

 今回、新しい分野を取り入れ、新傾向の入試問題にも充分対応できるよう、記述内容をあらためました、また、入学試験対策だけでなく、一般の方々のご要望にこたえて、わかりやしく、楽しく地図が読めるように配慮した改訂を行いました。

 書名を『入試地理 新地形図の読み方』とあらため、サイズを大きくして、大きな図版にレイアウトし、全体を読みやすくするなどの工夫をほどこしました。

改訂にあたっては、以下の5点に配慮しました。
①初学者でも自然に地形図の読み方の方法が身につくように、わかりやすい解説にしました。
②基本的な用語だけでなく、難解な用語にはていねいな解説をほどこし、初学者がしっかり学習できるようにしました。
③センター試験・国公立大学2次試験・私立大学入試のすべてにわたって、万全の対策を期すことができるよう、新しい傾向に配慮しながら、最重要問題を精選しました。
④入試では、地形図は実際のものと同じサイズの大きさ(原寸)で出題されますので、違和感なく入試にのぞめるよう、勾配計算などで使う地図をのぞいて、地形図をすべて原寸で掲載しました。
⑤一般書・教養書としても、読んで楽しい内容になるように充実させました。

 地図と地形図の問題はかならず出題されます。また、日常の生活や旅行などにも地形図の読み方についての理解がますます重要になってきています。

 しかし、出題内容の多くは基礎的な知識を問う問題です。日ごろから基礎的なことがらをたしかなものにしておけば、万全です。

 みなさんが、この本で地形図の読み方についての苦手意識を克服し、さらに力をたくわえて、入試で実力を発揮できることを願ってやみません。

 2009年9月

武井明信・武井正明

目次

『入試地理 新地形図の読み方』もくじ

Ⅰ 地図のはなし

 1 地図は情報の宝庫である

  ■1■地図とは

  ■2■地図は肉眼では見えないものや形のないものまで表現できる

  ■3■コンピュータの利用と新しい地図の世界

 2 地図の分類

  ■1■作成法による分類

  ■2■内容による分類

  ■3■描かれる範囲による分類

  ■4■縮尺による分類

  ■5■用途や目的による分類

  ■6■統計地図
3 新しい地図の世界

  ■1■地理情報の数値化

  ■2■地球観測衛星を用いたリモートセンシング

  ■3■GPS(全地球<汎地球>測位システム)

  ■4■GIS(地理情報システム)

  ■5■CG(コンピュータグラフィックス)とその利用

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Ⅱ 地形図の基本事項

 1 地形図の基礎

  ■1■地球の基礎知識

  ■2■地球の自転と時差

  ■3■回帰線と極圏

 2 地形図の図法

  ■1■地形図の投影法――多面体図法から国際横メルカトル図法へ

  ■2■日本測地系から世界測地系へ

  ■3■地形図の範囲・形・位置

  ■4■地図上の方位

 3 縮 尺

  ■1■縮 尺

  ■2■縮尺と図幅の大きさ

  ■3■地図上での距離

  ■4■地図上での面積の計算法

 4 等高線

  ■1■等高線の特色

  ■2■地形をわかりやすく表現する等高線

  ■3■等高線の種類

  ■4■等高線で表現できない小さな起伏の地形

  ■5■断面図の描き方

  ■6■等高線・等温線・等雨量線など、等値線図のつくり方

 5―さまざまな地形の表現方法

 6―図式・記号

  ■1■地形図の図式

  ■2■地図記号

Ⅲ 地形図の読み方

 地形図の読み方――地形図は記号で書かれた『風土記』である

 ◎基本的な地形1

 1 幼年期の山地――岐阜県木曽川流域・恵那地方

 2 壮年期の山地―徳島県祖谷地方

 3 老年期の山地――岩手県・北上山地

 4 火山の噴火と災害――北海道有珠山

 5 氷河地形――ノルウェー・北海道日高山脈

 6 カルスト地形――山口県秋吉台

 7 地溝帯――石川県氷見

 8 断層山地・複合扇状地――岐阜県養老地方

 9 扇状地――琵琶湖西岸

 10 河川の蛇行――北海道石狩川流域

 11 河川の流域と土地利用――新潟県信濃川流域

 12 自然堤防と輪中――木曽川・長良川・揖斐川合流地域

 13 三角州と土地利用――青森県・岩木川河口部

 14 デルタ都市広島

 15 河岸段丘――群馬県沼田

 16 海岸段丘――高知県室戸岬付近

 17 リアス式海岸――三重県英虞湾

 18 リアス式海岸――岩手県田老町付近

 19 海岸平野と納屋集落――千葉県茂原付近

 ◎基本的な地形2 海岸地形

 20 珊瑚礁と土地利用――沖縄県与論島

 21 条里制と条里集落――奈良県大和郡山市

 22 条里制と土地利用――香川県丸亀市

 23 江戸時代の城下町――青森県弘前市

 24 江戸時代の宿場町――滋賀県草津市

 25 江戸時代の関所と宿場町――三重県関町

 26 江戸時代の門前町――香川県金刀比羅宮

 27 江戸時代の新田集落――武蔵野台地

 28 散村集落(孤立荘宅)――富山県砺波平野

 29 干 拓――有明海と児島湾

 30 屯田兵村――北海道旭川市

 31 大都市近郊の開発と都市化

Ⅳ 入試問題の実際と解法

 入試問題の実際と解法――読図と演習

 1 地図・地理の基礎・基本的事項

  1 正距方位図法の特色と基本事項

  2 地理の基礎・基本的事項

  3 メルカトル図法の特色と基本事項

  4 メルカトル図法の地図と地理の基本事項

  5 北極中心の地図と航空交通

  6 古地図・地図・地理情報と利用

  7 情報の地図化

 2 地形図の読図と演習

  1 地形図の読図・論述

  2 村落と地形図の読図

  3 地形・地形図の読図・地形図に歴史を読む

  4 村落の形態・土地利用・集落に歴史を読む

  5 海岸砂丘・洪積台地・沖積平野・集落立地

[ コラム ]

 1 肉眼では見えない大陸の移動 

 2 世界と日本の地図のあゆみ

 3 時差計算 

 4 メルカトル図法

 5 UTM図法の特色

 6 正距方位図法

 7 地形図の大きさと描き方・数え方

 8 日本の地形図のあゆみ

 9 2万5千分の1地形図のつくり方

 10 平成14年図式の記号 

 11 おもな地図記号の意味と由来

 12 度量衡

サンプルページ

サンプルページ ─ 「3 縮尺」

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