三省堂 発行書籍
三省堂漢和辞典 第四版

学者のために“引きやすさ”に徹して作られた,学習向き漢和。 親字は多めの7,500字。 旧字・正字・俗字・略字等各種字体を明示。 教育漢字には筆順と新配当学年を記した。世界古今地名・国名漢字表現表等,付録も多数。

  • 長澤規矩也
  • 1990年 11月 10日 発行
  • 定価 2,000円+税
  • B6変  832頁  ISBNコード 4-385-13357-3

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目次

読み方の分からない漢字や熟語を知るには、字形から引ける漢和辞典でなくては調べることができません。

漢和辞典は、国語辞典が五十音順に言葉を配列しているのに対し、多くの漢字を形の上で共通する部分――部首――ごとにグループ化して、その画数順に配列してあります。

ところが、明治以来多くの漢和辞典は、中国清朝の康煕五十五年(一七一六)に成立した『康煕字典』の部首――ここでは、単に形からだけではなく、漢字本来の意味も含めて部首が定められています――をそのまま使用しているために、例えば、「和」が、私たちになじみの深い「禾」でなく「口」の部に分類されていたり、「承」が文字の上には現れていない「手」の部に分類されていたりして、目指す部首を見付け出すのが一大難事でした。これが「漢和辞典は引きにくい」と言われる最大の原因なのです。

この部首に対する私の疑問は学生時代から持っており、もっと簡単に引ける方法がないかと考え、それを実現したのがこの辞典と同じ三省堂から出版した『新撰漢和避典』で、四十年以上も前のことです。

読みも意味も分からない漢字を調べるのに、意味を知っていたり、特別の知識がなければ引けないのでは、辞典として全く無意味です。そこでこの辞典で私は、漢字を見たままの形で引けるように、部首の決め方を改めたり、新しい部首を作り出したりしました。

昭和二十四年に「当用漢字字体表」が告示されると、漢字はますます旧来の部首と合致しなくなり、「単」が「口」の部に分類されている等、その漢字の旧字体(省略)を知らなければ、全く見当も付かないありさまになってしまいました。

この時になっても、まだ旧来の部首を固執する辞典もありましたが、正に私が数十年来研究改良してきた方法が真価を発揮する時になったことを知って、慌てて不十分ながらまねをする辞典も現れました。

この『三省堂漢和辞典』は、数十年来の成果を基礎に、「だれでも簡単に引けて使いやすいように工夫して編修した漢和辞典」です。

また、文字や言葉は、時代やそれを利用する人々によっておのずから限定されるものですから、旧来の多くの辞典のように、単に古い辞典を新しい用語に書き改めただけでは、本当に役に立つ辞典とは言えません。

この辞典を使われる人々が、実際に出合うだろう漢字や熟語を厳選し、的確な意味や用例を説明する一方で、滅多に出合うことのないような熟語は省き、容易に意味の分かる熟語は、親字の用例として示すなどして、数のみ多く、かえって求める熟語を探すのに手間取るというようなことのないようにも配慮してあります。「必要にして十分」もこの辞典の特色の一つです。

この外にも、どうすれば使いやすいかを考えて、数々の工夫をこらしてあります。詳しくは「本書の使い方」に述べてありますから、この辞典をお使いになる前に是非一度お読み下さい。

なお、昭和五十六年十月に「常用漢字表」が告示され、同時に「新人名用漢字別表」が実施されました。この辞典は、それらのすべてを採り入れて改訂してあります。この改訂にあたっては、原田種成氏の助力を得ました。この辞典が、いつも皆様の身近にあって、日々お役に立つことを願ってやみません。

1981年12月

編著者

この第四版は、平成二年四月に新たに施行された「人名用漢字別表」と、平成四年四月から変更される「学年別漢字配当表」とによって必要となった修正、および第三版に対し読者の方々からお寄せいただいた御意見を反映させて改訂を行ったものです。

1990年 9月

編著者

この漢和の特徴

親字が見つけやすく工夫してある

 明治以来の漢和辞典の部首配列は、漢字の意味に基づいていた。これでは、意味が分からない利用者には引きづらい。私は、学生時代からの苦い体験から、初著から全面的にこれを改め、見たままで引けるようにし、戦後、新字体についても工夫した。


同一漢字の各種字形が入っている

 同一漢字の字形はかなり多種多様である。そこで、大きな印刷所に常備されている活字の字形は、他の漢和に入っていない誤用の字形まで一々挙げて、略字・俗字・誤字などの区別を明確に説明し、これによって、漢和の特質を明確にした。


漢字引きの国語辞書の性格を持つ

 わが国における漢字漢語の用法の中には、本来の意味から非常にずれたものがかなりある。従って、一般の世人学生用の漢和辞典は対訳辞書という本質よりも漢字引き国語辞典であるべきもの。よって、字訓語義には国語的要素を豊富に盛った。


熟語総数は一見少ないようで多い

 わが国常用の読みやすい熟語については、利用者は国語辞書で検索するという今日の実状から、この種の熟語で、しかも意味が分かりやすいものは、親字の説明の中に用例として入れ、その分だけ他の熟語を入れて、所掲熟語を豊富にした。


分かりにくい伝統的用語を避けた

 伝統的辞書用語を捨てて、分かりやすい現代的表現を用いた漢和も、私の四十年前の旧著が初めである。取材を世上流通の辞書のみに求めなかった苦心や上記新配列法とともに、戦後の漢和に直接間接に流用されるようになったのはむしろうれしい。


表記法は現行を基準に工夫した

 説明用語の難易、漢字使用の多少という点からの書中前後の不統一は、辞書の本質から故意にしたことで、難しい熟語を引く人への説明は易しい熟語の説明より難しくても当然。前後両行の仮名書き漢字書きは一定させない方が分かりよい。


同一ページ中に豊富な内容を盛る

 辞書の内容は「必要かつ十分」であるべきもの。むだを省いて落ちがなく、読みにくくない程度で余白を減じ、分かりやすい符号を使って余計な文字を避けるという編修方針によって、同一ページで内容を豊富にし、鮮明な独特の印刷法によった。

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