三省堂 発行書籍
てにをは連想表現辞典

作家的表現が身につき表現の幅が広がる 表現力ステップアップの辞典!    「ことばの海を泳いでみませんか?」日本を代表する作家四百人の名表現を類語・類表現で分類。 さまざまな言葉、意外な表現から連想がどんどん広がる面白さ。 発想力、作家的表現力を身につける「書く人のための辞典」。 既刊『てにをは辞典』の第二弾。

  • 小内 一
  • 2015年 9月 16日 発行
  • 定価 3,200円+税
  • B6判  1312頁  ISBNコード 978-4-385-13641-7

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著者紹介

目次

はしがき

文章表現をするとき、どのように書き表すか迷うことは多いでしょう。そのときの一助となるものをめざして本書を編みました。


連想の輪を広げるための382の「引き出し」

 本書には膨大な数の文章例が載っています(のべ22万)。現代作家約400名(後掲)の作品から編者が20年かけて採集したものです。これらをどのように並べたら、読者にとって引きやすく、面白く読めて、かつ連想の輪を存分に広げられるかと考えて全体を構成しました。

 まず、22万の文章例をその各々に含まれる語句で分け、その語句を見出し(太字)にたてました。見出しの数は全体で約1万1600語になります。次に、それらの見出しを大きく382のグループ(以下「引き出し」と呼ぶ)に分けました。1から382まで番号をつけてあります(目次参照)。

 一つの引き出しには、7「明るい・暗い」11「開ける・閉じる」のように主に反対の意味を持つ言葉を組み合わせ、意味の同じ表現や関連した言葉、あるいは反対の意味の表現なども入れています。「明るい・暗い」では、陰気・快活・暗闇など25語、「開ける・閉じる」では、大口・カーテン・鍵など42語が見出しとなっています。並んでいる見出しをながめるだけでも、連想の輪は大きく広がると思います。


引き出し内の語句を探すには、索引が便利

 特定の語を引きたいと思ったときは、索引を引いてください。すべての見出し語がこの索引から引けます。また見出し以外の語句も索引にとりました(索引語数は約1万8500)。何か思いついた言葉からその表現例を知りたいときは、まずは索引にあたってみると便利です。


さまざまな表現から、さらにイメージを広げる

 例えば199「楽しむ・喜ぶ」を見ると、「▼喜ぶ」の後の( )内に「初心な少年のように」「顔をくしゃくしゃにして」などの言葉が続きます。▼の印は、それに続く( )内の語を先にして読む記号です。初心な少年のように喜ぶ、顔をくしゃくしゃにして喜ぶ、というわけです。「喜ぶ」の項目には、他にも「難破した人が汽船を見つけたような喜びよう」「相好をくずして顔いっぱいで笑う」など80以上の「喜ぶ」に関する文例が並んでいます。

 54「移り変わる・季節」には、春・夏・秋・冬の表現が満載されています。「秋」の項目には「都会の花瓶にも可憐なコスモスのほころびる頃」「野には稲が黄色く稔る」など48例、「初夏」は「ライラックの花束のような初夏の明るさ」「青葉を渡る風が清々しい」など19例、「夏」には「街路が夏の朝特有のすがすがしさに包まれる」「風も絶えた夏の夜の闇が重く蒸し暑くたれこめる」など40例あります。これらのさまざまな表現に接することにより、自分の気に入った表現を思いつく。さらに、それらの表現からイメージを広げることにより、独自の新しい表現法も考えつくことでしょう。

 比喩表現の例も随所にちりばめられています。270「脱ぐ・貼る」の「紙」の項目には「大根を紙のように薄く切る」「肌の色が使い古した紙のように黄色く濁る」など、同様に259「波立つ」の「海」の項目には「暗い海のように拡がる夜の闇」「霧が海のようにあたりをひたす」など。


表現者とともに、言葉の迷宮を楽しむ

 個性的な表現については、表現した作家名が分かるように略称を付けました。
「いいな」と思った表現をする作家がいたら、その作家の他の作品を読んでみることをおすすめします。表現例をもとにして好みの作家を見つけるのも、また楽しいものではないでしょうか。

 本書を読み進むと、文章ごとに使われた場面や状況が大きく変化していることに気がつくでしょう。一つの言葉をめぐっていろいろな表現が次々と出てくることで、とまどう方もいらっしゃるかもしれません。でも、その「とまどい」を経ることによって、新しい表現が生まれてくるのだと思います。言葉の多様性をつぶさに感じられることも本書の特徴です。言葉の迷宮で存分に楽しんでください。


『てにをは辞典』と共に活用を

 本書は文章表現を中心に例示しました。そのため言葉どうしの結びつきについては、多くの例を示していませんので兄弟辞典である『てにをは辞典』(のべ約60万の結びつきを収録)を参照してください。


編者 小内 一

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