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三省堂 世界星座早見

日本天文学会 編

定価 本体1,600円+税
仕様 樹脂板回転式(直径28cm)
ISBN 978-4-385-20058-3
発行年 2003年8月1日

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前書き目次データの仕様について サンプルページ
※サンプルページは解説書、「2使用法」 より

円盤の一部

●はじめに(解説書)

 『三省堂 世界星座早見』は、ロングセラーである『新星座早見 改訂版』に対していただいたご意見、実際の使用法、製作技術の進歩などを反映して、想を新たに新商品として世に送るものである。

 星座早見は、地球の自転・公転運動を円盤の回転運動として再現することで、恒星の見える方向と日時との関連を示す道具であるが、それにとどまらず様々な使い方があることが知られている。今回は、そのような点を配慮して、盤面のデザインから解説書の構成まで、原点に立ち返って再考を行った。盤面本体については、天文学の学習および海外旅行での便を考え、世界の様々な地域でも原理的には使用可能な機能をもたせたことが特徴である。南北両半球を表裏一体型とし、高度方位角シートを交換することによって、1つの盤で世界全域をほぼ完全にカバーした星座早見はおそらく世界唯一である。基礎データについては、これまでの高い信用を落とすことがないよう、研究用にも広く用いられているデータを利用し、その扱いについても前任の編者と相談の上、準ずる扱いをした。一方、実際の使用の便を考え、恒星の等級表示法を含め、盤面表記法をいくつか変更した。表示する限界となる等級については、恒星分布の粗密を示すことも、科学的意味があるものと考え、特に作為なく一律、4.5等より明るい恒星はすべて示すことに改めた。

 この『世界星座早見』では盤面本体もさることながら、添付の解説書も大幅に充実させた。このため、盤面本体や実際の星空とあわせて活用することにより、盤面の使用法や星座を探すことから、星座早見の原理、天文学の初歩までもカバーできるような内容とした。文字通り「星座を早く見つけるための道具」としてばかりではなく、「天文学に興味をもつ人が楽しく使え、より深く関心をもつための道具」として使いこなしてほしい。なお、すでに天文学についてある程度の知識をもっている人が、仕様を手早く知ることを優先したため、解説の大部分で天文学用語を直接使用している。これらについては、本書巻末に用語解説を添付したので、概念の詳細が知りたい方は、そこをご覧いただきたい。

 本星座早見をご活用いただくことによって、ひとりでも多くの人が天文・宇宙に関心をもっていただければ、幸いである。


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 ●もくじ(解説書)

はじめに

0 星座早見の原理

1 データの仕様について

[恒星の位置/恒星の明るさ/重星・連星の扱い/星座と星座線/恒星の名称/星雲・星団・銀河/天の川/天球座標と分点/日付目盛り/黄道目盛り/北極星の時角]

2 使用法

[1.この日はどんな星空?−基本的な使い方/2.早見盤で星空をながめる計画を立てる−この星はいつ見える?/3.早見盤を回してみよう−星空の動きを再現する/4.星空をながめながら−実際の夜空と見比べる/5.経度の補正方法/6.望遠鏡を使うときに/7.海外で使う]

3 星座を探す

[1.星座線のない星座/2.星を見ることに慣れる/3.春の星座探し/4.夏の星座探し/5.秋の星座探し/6.冬の星座探し/7.予定外の明るい星:惑星/8.海外で見る星]

4 星空の基礎知識

[1.星と星座/2.日周運動と星空/3.地球の公転と星空/4.肉眼による観察/5.双眼鏡による観察/6.天体望遠鏡による観察/7.惑星・月の観察/8.彗星・流星の観察/9.星雲・星団の観察]

資料1=黒体放射と恒星の色温度

資料2=恒星のスペクトル分類

参照用語集

星座一覧


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●データの仕様について

★恒星の位置

 恒星の見える位置は、原則として、ヒッパルコス星表の値を用いた。恒星は固有運動を示すが、6等より明るいものは、最速でも年に1/36000度程度しか移動しないので盤面では特に配慮せず、星表に掲載されている1991年時点での値を用いた。これによる誤差は2040年時点との位置と比べても盤面上で1mmに満たない。

 ヒッパルコス星表のうち、人工衛星による位置データがないもの3星については、同星表の地上測定データを用いた。該当するのは6等より明るい星ではHIC55203,HIC78727,HIC115125の3星のみである(HICはヒッパルコス星表のカタログ番号を示す)。このうち、HIC55203とHIC78727は実視連星で、それぞれおおぐま座ξ星とさそり座ξ星ともよばれる星である。連星であるため、測定がうまく機能しなかったためと考えられる。

★恒星の明るさ

 恒星の明るさは、原則として、ヒッパルコス星表の値を用いた。恒星はすべて塗りつぶした円で示すこととし、その面積比が光度比と一致するように示した。等級の違いは連続的であり、数値による作為的な識別は意義がうすいと考えたためである。表記に際しての最小等級刻みは0.01等であるので、実用上、連続的に変化している。ただし、0.7等より明るい恒星は表記が大きくなりすぎるため、0.7等に相当するサイズで示している。

 変光星については、おもに「変光星総カタログ(General Catalogue of Variable Stars)第4版」を用いたが、VSNET、AAVSO、ヒッパルコス星表のwebページも参考にした。変光星には様々な種類の天体があり、典型的な変光周期も種々様々であるため、星座早見に簡潔に記載できるような一律な選択基準を設けることは困難である。ここでは、星座早見の主たる利用法を考え、変光幅が0.3等より大きく、近い将来、最大光度が再現する可能性が高い天体を選び、その最大光度が4.5等より明るいもののみを表示することとした。これは実際の夜空と比べた際に、恒星の分布パターンを再現することを重視したためである。表記については、典型的な最小光度を中心円とし、それを典型的な最大光度に対応する円で囲むことで示した。したがって、最小時に4.5等より暗いものは白丸のみで示されることとなる。この表記法では、変動幅が小さい変光星が変光しない星と識別しがたいが、特別な配慮はしていない。アルゴルなどがこれに該当する。

 以上の条件により、この星座早見では表1-1(省略)に示した個数の恒星が表記されている。

★重星・連星の扱い

 重星については、理科年表(2003年版)掲載の実視連星についてのみ考慮した。ヒッパルコス星表と比較し、同表で単独星として記載されているものと実視連星の合成等級が0.1等以上異なるもののみ修正を加えた。合成等級の方が0.1等以上明るくなるのはケンタウルス座α星としし座γ星のみである。これは近い明るさの星が連星をなしているためである。これについては、ヒッパルコス星表の値から2星の合成等級を求め、その明るさの星1つが明るい方の星の位置に見えるとして表記した。0.1等以上暗くなるものは、おとめ座γ星のみである。測光に用いた波長の違いや変光または測定誤差のためと思われる。この星は、ヒッパルコス星表の値を用いた。これ以外の重星(みかけの重星)などは特に表記上の配慮をしていない。このため、ミザールとアルゴルなど、肉眼でかろうじて分離できる重星や星団の場合、実際の空で識別できる星数より盤面上の表記では星数が少なかったり、ひとかたまりになって表示された天体もある。なお、すばるについては実際の星の配置を表示すると、星が密集して見づらくなるため、星団の記号のみを示した。

★星座と星座線

 星座とは、恒星分布パターンにもとづいて恒星や天域を整理・分類したものである。歴史的には文化圏ごとに異なった様々な種類の星座が提案・使用されてきたが、現在では1928年国際天文連合によって決定された88が公式のものである。その定義は天球を区画で分割したもののみである。したがって、しばしば行われるように主要な恒星を結んだパターンとしては定義がない。けれども、ここでは公式な星座の定義である星座分界線を用いずに、慣例的に用いられている「該当する星座に属する主要恒星を線で結んだ絵」のみを示すこととした。以下、この線画を星座線とよぶことにする。星座名は、仮名表記するのが公式とされているので、それにならった。仮名表記法については理科年表(2003年版)にしたがった。

 この星座早見で用いた星座線は、星座に関する多数の書物を参考にしながら、星座の範囲の広がり、星座名から連想される形状、その星座に特徴的な恒星の並びなどが、うまく示されるよう検討して独自に作図したものである。なお、隣接する他の星座の星まで含めた星座線が、慣習的に引かれることが特に多いものについては、主たる星座をはみ出る部分の星座線を破線で示した。ぎょしゃ座、みずがめ座にこの例がある。へび座は2つの分離した区域をもつ唯一の星座である。ここでは2つの区域を結ぶ線を破線で示した。

 一部の星座については、特徴的なパターンを示すために4.5等星より暗い星を用いる必要があった。これらの星座では4.5等より暗い星は表記せずに、それらの星も含めて結んだ星座線を表示した。こぐま座、きりん座、ポンプ座、ぼうえんきょう座、とけい座、ちょうこくぐ座がこれに該当する。けんびきょう座、テーブルさん座、ろくぶんぎ座については、星座内に4.5等より明るい星が1つもないため、星座線を示すことができない。これらについては、該当する天域に星座名のみを記した。

 星座線とは別に、星座を見つける手がかりとして、しばしば用いられる特徴的な恒星の並びがある。春の大曲線や夏の大三角などが、その例である。これらは星座線とはいいがたいが、頻繁に用いられるので、特に星座目印線として太い破線で示した。なお、春の大曲線、秋の四辺形については星座線との重複部の表記を略した。

★恒星の名称

 特に著名な名称をもつ恒星に限って、その名称を付記した。仮名表記法については『新星座早見 改訂版』を踏襲した。ここに示した以外にも多数の恒星が名称をもっており、固有名、カタログ名など複数の名称をもつものが多い。

★星雲・星団・銀河

 星雲・星団・銀河については、特に著名なものだけを選んで、種類ごとに異なる記号で掲載した。位置と種別は理科年表(2003年版)による。記号の大きさは、天体のみかけの大きさや明るさとは無関係で同一サイズを用いている。星雲・星団・銀河にも固有名やカタログ名など様々な名称があるが、『新星座早見 改訂版』にも掲載があるものはそれを踏襲し、それ以外は固有名またはメシエ番号をM付きで、NGC番号をN付きで、付記した。

★天の川

 天の川は、多数の恒星が集団をなしたものが、空で帯状に光って見えるものであるため、それを明確な境界をもつ天体として表記するのは困難である。盤面では、東京学芸大学の土橋氏らによる「恒星計数測定値」を元に、観測される空の明るさに応じて、実物になるべく近いみかけとなることを心がけながら、できるだけ簡略に示した。なお、大小マゼラン銀河は天の川ではないが、肉眼で実物を見ると天の川と類似の光り方であるため、これらについても、天の川と同様な表示を行った。

★天球座標と分点

 天球座標の基準に用いる赤経・赤緯座標は、2000年分点を基準とした。厳密には、地球の歳差・章動運動によって実際の地軸の向きが移動するため、毎年異なった分点を使用する必要があるが、その違いは年に1/1000度程度しかない。これによる誤差は2040年時点との位置と比べても盤面上で1mmに満たない。このため、この星座早見では特に配慮していない。

★日付目盛り

 日付目盛りを正しく記すためには地球の公転運動を正しく把握しておく必要がある。これには、グリニッジ視恒星時を元に日付目盛りを記せばよい。この値は、星座早見の精度では、毎年同一と考えてよい。この星座早見では、理科年表(2003年版)で確認の上、『新星座早見 改訂版』の日付目盛りを踏襲した。

★黄道目盛り

 黄道上の太陽位置を正しく記すには地球の公転運動を正しく把握しておく必要がある。これには、太陽の視赤経がわかればよい。この値は、星座早見の精度では、毎年同一と考えてよい。この星座早見では、理科年表(2003年版)掲載の太陽の視赤経によって黄道上の太陽の位置を目盛った。

★北極星の時角

 赤道儀式天体望遠鏡を設置する際に、北極星を利用する場合がある。北極星は厳密には天の北極とずれた位置にあるため、正しく設定するためには、ずれの方向を把握しておくと便利であり、星座早見にそのための目盛りを記すことが一部の天文愛好家によってなされてきた。この星座早見では、新たに、この目盛りを書き加えた。

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