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| 私: |  先生のメールには「少し時間を割いて教えました」とありましたが,実際には,どのように教えましたか。 | 
        
| H先生: |  はい。指導書p.82にあるように,もう1度,本文を読ませ,私たちが動物を救うために「できること」「しなければならないこと」と関連のある箇所に下線を引かせました。そして「できること」「しなければならないこと」の解答例を板書し,readingとwritingの練習を兼ねて板書の内容をノートに書かせました。ただ,それだけではLesson 3の内容を完全には伝えきれていないように思うのです。 | 
        
| 私: |   
            たしかに,これで終わってはLesson 3の内容の奥深さは伝えられませんね。そこで,私であれば,TMのp.63にある背景的知識の解説をかいつまんで話します。ここでもう1度「絶滅危惧種」について確認し,どんな動物が該当するかを説明します。ぜんぶ英語で,というわけにはいきませんから,時に日本語もまじえていきます。教科書p.21に4種類の動物の写真が出ていますが,ここは導入時に説明済みでも,もう1度listeningの練習を兼ねて内容の復習をします。そうすると,Lesson 3で扱ってきた動物,スマトラトラ,マウンテンゴリラ,ジャイアントパンダ,イワトビペンギン,アジアゾウ,スマトラオランウータンについて説明することになります。
 また,TMに掲載されている IUCN (International Union for Conservation of Nature and Natural Resources) 日本委員会KIDSのウェブページ にアクセスし,そこから資料を引き出します。このウェブページでは,次のようなことについて平易な文で解説してくれています。 
 これらの内容を参考に,次のような解説を加えます。 絶滅危惧種は,哺乳類ばかりでなく,鳥類,爬虫類,両生類,魚類,昆虫類と多岐にわたり,植物の中にもその対象になっているものがあります。 今,我々にできることと言えば,象牙や革製品など生き物の一部を使って作られているもので,絶滅の恐れがある動物から作られたものを買わないことです。また,絶滅の恐れがある生き物をペットとして飼わないことなども,身近に取り組めることです。  インド洋にあるモーリシャス島には,かつてドードーという鳥が住んでいましたが,人間が原因でとうとう絶滅してしまいました。そして,ドードーがその果実を食べ,種子を拡散させていたカルバリア・メジャーという木も減ったそうです。このように,ある種の生き物が絶滅すると,それと連鎖した他の生き物にも影響が及び,絶滅してしまうことがあります。生き物が絶滅すると,人間が生きていくのに必要な自然そのものが失われていきます。また,地球上であちこちの森林が失われ,二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に大量に発生することによって地球全体が温暖化すれば,やがて人間もこの地球上に住めなくなるでしょう。ですから,私たちは,原因はいろいろあるにしても(たいていは人間が原因ですが),動物や植物が絶滅すれば人類にも重大な影響を及ぼすのだという現実を直視しなければなりません。 以上のようなまとめでよいと思います。このようにまとめてしまえば,それほど時間もとられませんし,後で調べ学習に発展させたり,ペアやグループで話し合わせたりし,それぞれのグループで模造紙に書き込み発表をさせれば,このレッスンの内容は生徒たちにかなり浸透すると思われます。 このほかに,毎日の新聞やテレビのニュースなどに注意していると,時期を得た資料が手に入ることもあります。例えば2007年4月7日付けの日本経済新聞には,次のような見出しがありました。 「温暖化,全地球に影響/国連パネルが報告採択/湿地30%消滅 動植物30%絶滅も」 内容は,「温暖化が地球規模で目に見える影響を及ぼし始めた」とする旨の報告書を,国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめたというもので,そこには地球上のすべての大陸と海洋がすでに温暖化の影響を受けていることが明記されています。  私は,このような問題について,次代を担う生徒たちにきちんとメッセージとして伝えることが,このレッスンの大きな使命なのではないかと思っています。  | 
        
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