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先日ある研修会でこんな意見が出ました。 −教科書で学習する言語材料を繰り返し、しかも効果的に学習させるにはどんな方法をとったらよいでしょうか。どうもマンネリになりがちで、いまいち生徒が乗ってこないのですが……。 −−そうですね。既習言語材料はどんどん使うことによって、つまり何度も繰り返すことによって身につくものですね。そこで教科書を中心にしながらも教科書ガイドや教科書準拠のプリント、または文法項目別のプリントや自作プリントなどを駆使しながら定着を図るわけです。でもおっしゃるようにマンネリになりがちなので、いろいろと配慮が必要になってきますね。 −ではどうすればよいのでしょうか。 −−私は『投げ込み教材』をよく活用しました。『投げ込み教材』とは読んで字のごとしで授業の合間にふいに生徒たちに教科書にない新しい教材を提示するのです。生徒たちはびっくりして好奇の目で教材を眺めます。 何のことはないこれは紅茶の箱に印刷されている宣伝文の一部です。私が生徒のホームステイ先のリビングルームで拾って持ち帰ったものです。ホストマザーは「そんなもの何するの?」と不思議そうな顔をしていましたが...。 −理屈はよく分かりますが、週3という枠の中ではどうでしょうか。その時間をどうやって捻出するのかちょっと…。 −−それはね、時間を取り過ぎるからダメなんです。5分から10分ぐらいの間でさっと切り上げるのがコツで、あとは宿題にしてもいいのです。突然、変わった教材が目の前に出てくるとハッとして集中力が戻ってくるのですね。そこで英語に対する「関心・意欲・態度」が再燃し、何とか持続させることができる……と思うのですがいかがでしょうか。 −そううまくいけばいいのですが、そのために普段どんなことに気をつければいいんですか。 −−『投げ込み教材』はどこにでも転がっています。要は何か使えるものがないかな−と年中頭の中で心掛けておく必要があります。英字新聞とか雑誌などを拾い読みをしている最中に見つかることもあります。
後関 正明 (ごせき まさあき) 先生
東京都墨田区立中学校で教諭,校長を長年務める。その後,東京都滝野川女子学園中・高校で教鞭をとる。現在,NPO法人「ILEC言語教育文化研究所」常務理事。2003年より都内の私立大学で教職課程履修の学生を教えている。 ご質問がございましたらニュークラウン指導相談ダイヤル(03-3230-9235 受付時間 月・火・木曜日 10:00 〜 16:00)へどうぞ。 Copyright (C) SANSEIDO publishing co.,ltd. All Rights Reserved. |